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【レビュー】すばらしい新世界【書籍】

パラノイアRPGの元ネタでもあり、ディストピア小説の傑作!

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今回はディストピア小説の傑作。オルダス・ハクスリーの「すばらしい新世界」を読み終えたので色々書いていきたいと思います。
邦訳はいくつかされていますが、私は光文社個展新訳文庫のものを読みました。

現在の社会的地位を誇りに思い。
自分が望む仕事に就ける。
辛いことがあったらソーマが解決してくれる。
死を恐れず、肉体は老いることはない。
争いはない。
一人で居ることはない。常にみんないっしょ。
疑う余地なし! すばらしい社会!

 ディストピア(反理想的社会)とは

 ディストピアとはその社会の在り方もしくはその制度が(少なくとも読者には)反理想的社会を指します。

 冒頭に書いた現在の社会的地位を誇りに思うから始まり、孤独はなく皆と共にある社会は理想的な社会のように見えます。物語の冒頭もすばらしい新世界における社会がいかに素晴らしいか雄弁に語るキャラクターによって描写されていきます。(これは強烈な皮肉です)

 素晴らしい新世界では、現在の社会的地位を誇りに思うのは、そのように『条件付け』されるからです。ほかの社会的地位に自分がならなくてよかったと教育されます。

 どこにでもあるドラマの「親の敷いたレールに~」のセリフは親どころか生まれる前から決まっています。
それについて誰も不満に思う者は居ません。そのように教育され、実際に当人は幸福だからです。

 終末もの

 しばしばディストピアは終末ものと誤解されます。ディストピアは社会の在り方が(読者からすると)絶望的にみえます。終末ものはとある文明が終末を迎える。もしくは、迎えた後の物語を指します。例として『199X年、世界は核の炎に包まれた……*1』はまさしく1つの文明が終末を迎えたことを意味します。

 文章のかたさ:比較的やわらかい

 ライトノベルばかり読んでいる人には多少カタイですが、まだまだ柔らかい方です。Kindle版だと注釈をすぐに見れるので便利ですが、それでも引用は多いです。すばらしい社会の外から来た少年ジョンはシェイクスピアの愛読者でシェイクスピアの引用でしゃべります。ですので、引用の注釈がたくさんつきます。おそらくシェイクスピアの愛読者なら思わずニヤニヤしてしまう引用なのでしょう。

印象に残ったフレーズ:文明は消毒だ

 すばらしい新世界における社会秩序と安定性を手に入れるため、文明を良しとしません。今この時を最良し進化を望みません。あらゆる豊かさを放棄して最小リスクで最大の幸福追求がすばらしい新世界における守るべき社会だということです。

理想の社会とは何なのかを考えさせられる

 この小説を読み終わると、幸福な社会とは何なのかを考えることになると思います。この記事を読んでいる人がポツポツと思い浮かぶ疑問は小説の登場人物がある程度の答えを提示してくれるでしょう。キャラクター一人一人が1つの立場にあって、この社会を見ています。非常に社会に従順なキャラも居れば、反社会的なもの、欲に忠実なもの。登場人物は多くはなく、すぐに把握できます。私はウィキで予習してから読みましたが問題なく楽しめました。

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*1:1984年に第一巻が出版された1980年代を代表する漫画『北斗の拳』冒頭部のナレーション

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